今週の注目本 本屋さんが選ぶ今週の一冊
悪臭学

鈴木隆
本体価格:1,500円 発行年月:2000/05
そこまでくさいのにはワケがある! おなら、ゲップ、口臭、ワキガ、う○こなど、人のからだから出る悪臭は一体どうしてこんなにくさいのか? そんな疑問に真面目に答える悪臭入門書。幸福より不幸。安全より危険。美談より、失敗談。芳香より悪臭?? 人には言えない悪臭フェチを、後ろめたく思うことはありません! 悪臭には、化学的に正当な理由があるのですから。時には人に不快感を与える悪臭も、その一方では、フェロモンの効果を発揮して、誰かを激しく誘惑しているのです!かのアレキサンダー大王も強い腋臭で、女性にもてもてだったとか? 悪臭は、突然、「官能のにおい」に変じて、エロティックな雰囲気を演出するのです。「からだとにおい」の不思議な関係が、今までなかった悪臭への新たな価値観を発見!! 芳香をつくる現役パフューマーが、化学的理論、実験、体験談、国別の違い、文学の検証など、さまざまな視点からにおいの秘密を探求します。怖いもの見たさで、ちょっと臭ってみたくなる一冊です。   

 
日刊 ゲンダイ  書評


口臭やワキガ、足、おならなど、人体から発するにおい
はクサイと決めつけ、排除する風潮がはなはだしい。だ
が、悪臭とはそもそも何なのか。なぜクサイのか。悪臭の
正体に迫ったのが、パフューマーの鈴木隆著「悪臭学 
人体篇」(1500円 イースト・プレス)だ。

たとえば、オジサン臭の原因とされ、ひところ話題になっ
たノネナールは、なにもオジサンだけにあるわけではな
い。40歳代以降は男女とも皮膚に増える物質なのだ。
クサイといわれるのは、身だしなみなどにルーズになりが
ちなためだろう。また、女性の膣もかなりにおいがキツイ
が、精子にはにおいをかぎ分ける能力があるという仮説
があり、このにおいは精子が卵子に泳ぎ着くための誘導
の役目を果たしているとも考えられる。

「悪臭とされるにおいにも意味があります。悪臭だからと
切り捨てず、突き詰めてみると、人間の力の根源である
性やエロスと深いかかわりがあったりして興味深いです
よ」と、鈴木氏。
 

 


                  日刊Web本情報
 



タイトル: 悪臭学[人体篇]
サブタイトル 鼻も曲がる悪臭の正体とは!?
著・訳者: 鈴木 隆
出 版 社: イースト・プレス
ページ数: 255
体  裁: 194×135ミリ・上製
本体価格: \1.500
ISBN: 4-87257-187-8
   
悪臭学とは…世の中にある悪臭にとことんこだわり、そのにおいの正体や発生源はもちろん、どうして悪臭とされるに至ったのか、そのにおいの歴史や伝説(?)までを追求する。今回は、もっとも身近な悪臭である、我々のからだが発するにおいを対象にするので「悪臭学─人体篇」と銘を打った。ときに、科学のコトバも出てくるが、わからなくても全然かまわない。怖いものみたさの好奇心さえあればあなたも立派な悪臭学の学徒である。さあ、いっしょに悪臭ワールドに出かけよう!
 

 
◎第一章 おなら
      正しい屁理屈のススメ
◎第二章 ゲロ・ゲップ・口臭・頭・足
      人間くさい悪臭たち
◎第三章 ワキガ
      脇の下から出るフェロモン
◎第四章 膣と精子
      愛という名の悪臭
◎第五章 糞尿
      くさいのが常識は非常識
◎第六章 死体
      人間最後の悪臭

話題の本
『セーラー服とエッフェル塔』鹿島茂著(文芸春秋・一七六二円)
匂いに始まるうんちく尽くし

 いきなりでナンですが、「他人のくそ」という章もある。自分のは嗅ぎ慣れているから寛容になれるが、他人のは「どうしても好きになれない」とそれだけなら、紹介することもない。先生は、くみ取り式の時代にはあまり意識しなかった、つまり「嗅覚の共同性」(A・コブラン)があったのに、気になりだしたのは水洗式に移り「『個』としての『他人のくそ』との対決を余儀なくされ」てからだ、と述べ、嗅覚のプライベート化による自他の峻別が内向し自分の体臭に嫌悪を覚える「自己臭症」、自分が自分にとってなじめない存在=「他人のくそ」ともなるやっかいさを語り、「ところで」とフロイトの話に転じるのである。

 乳幼児はフロイトのいうように、眼で父母のペニスの有無を判断しエディプス・コンプレックスに陥るのではなく、匂いで父母の区別をしているのではないか。そう考えた分析医の見解を、『匂いの身体論』(鈴木隆著)から紹介する。母親の匂いは乳房の周りのアポクリン汗腺から分泌され、乳幼児はそれを自分の匂いと同一視し、父親の匂いはあたかも「他人のくそ」に近い。ところがある時期から女の子は父親の匂いを好ましく感じるようになるらしい。男性の汗腺から出るアンドロステノンへの女性反応で、フロイト流にはエディプス(息子と父親の相克)と対比的なエレクトラ・コンプレックス(娘と母親の相克)。

 しかしそれが続くと近親相姦へ発展する。そこで何が起こるか。「嗅覚の抑圧」である。《人間が嗅覚によるセックスから視覚を媒介にしたセックスに移行したとき、近親相姦の回避が起こり、次に近親相姦が回避されるようになると、今度は、さらなる嗅覚の抑圧が始まったのだ》というわけだ。ここから、嗅覚の抑圧がうまくいかないと同性愛やフェティシズムにシフトする、という解釈も生まれる。同性愛のプルーストは匂いに異常に敏感だったし、足フェチの谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』の中で便臭についていかにもうれしそうにページを割いている、とじつに内容豊かな結論部へ向かう具合だ。

 読みつつ、吉本隆明さんの言が思われておかしかった。かの思想家も語っている。「大便の匂いで、メルカプタン、これを薄めた匂いみたいなのが好きなんです」(『匂いを讀む』)…

 帯には「ちょっとHな『仮説』26」と書いてある。そうなのだ。長々とビロウな話を紹介したのは、まだしも「穏和」な章だったからである。「SMと米俵」にはじまり、『われらの時代』でビデを描いた大江健三郎はフランス生まれの本物を知って書いたのだろうかと諸仮説をめぐる「ビデ」、ゴリラは三センチ強、オランウータンは四センチ弱なのにヒトはなぜ十三センチの長大なものをもつに至ったかの「長茎ランナウェイ学説」と盛りだくさんで、深遠にして高尚、ゆえに新聞ではいささか書きづらい。

 「妙なことに対しても仮説癖が働いて、そのたびに、手あたり次第に本を乱読して」とあとがきにいう。仏文学の共立女子大教授である。古書コレクターで「愛書狂」と名乗るほどに、古今の書を渉猟してのうんちく尽くし。丸谷才一さんもこの種のエッセー名人だが、あくまでエピソード風な語りのうまさに対して、こちらはこだわりの濃さと論理の厚みが持ち味だろうか。

 表題の「セーラー服」も、「エッフェル塔」も、中村宏画伯の装画も、意味ありげでしょう。読書の秋、アダルトな知性派に、おすすめ。

 文化部 田中紘太郎


 

 

 

 

 
 
 
 
「消臭社会」はよくない

 やっとしのぎよくなった。みんなほっとしている。

 暑さに加え、世界各地も天災、人災が重なって、重苦しいサマータイムだったが、そんななか、もう一つ私が不快に思ったことがあった。
〈ついにオジサンの臭いを突きとめた〉
〈オヤジ臭さをシュッと一消し……〉
 の宣伝文句でローションやボディシャンプーが発売され売れ行き好調、というニュースである。読む気分にもなれなかったが、なんでも中高年になると、若い人にはほとんどみられない脂肪酸が皮脂中に多くなるそうで、それが酸化、分解してノネナールという成分が発生し、特有の臭いをだすという。

 すでに「加齢臭」という名称もつけている。この造語からして気に入らない。「臭」は臭気、悪臭、官僚臭などと使われるように、いやな悪い臭いを指す。

 しかし、オジサン臭い、オバサン臭いというのは、いやな臭いなのだろうか。どんな臭いかも実ははっきりしないが、なんとなくわかることはわかる。さわやか、とは言わない。だが、私が中高年の一員ということもあるが、必ずしも悪い臭いではない。

 まさしく「加齢」なのであり、年を重ねるにつれて体臭も微妙に変わっていく。それは人生の臭いではないか。衣食住の生活環境が異なれば、体から発する臭いにも当然違いがでてくる。つまり、オジサンの臭いもいろいろで、「加齢臭」などと一律に臭いもの扱いされてはたまらない。

 漁業に携わる人には、どこか魚の臭いがしみつく。農業の人は土の臭いがただよう。それこそが「自分の臭い」であって、貴いのではないか。

 ここまで書いて、臭いをニオイとクサイの両方に読ませる用語法にも腹が立ってきた。においには「匂い」の漢字もあるが、こちらは不快なくさみを意味する「臭い」とは違って、香り、香気と同義である。まぎらわしい。

 従って、あとは「におい」と平仮名を使うことにする。においには悪臭から芳香まで幅広い概念があって、自由に表現できるからだ。

 だれでもそうかもしれないが、私は以前から音と同じくらいにおいを気にしてきた。年をとるほどにそれは高じている。においが嫌いなのではなくて逆だ。嫌いなにおいもあるにはあるが、好きなほうが圧倒的に多い。

 目と耳で知る前に、鼻で識別しようとする習性がほかの人より強いのではないかと思ったりした。しかし、
「鼻を利かす」

 というのは、日本ではあまり品のいいこととは考えられていない。嗅覚蔑視の思想が根強いようだ。だが、目は口ほどに、に劣らず、鼻は口ほどにモノを言う、と私は確信している。

 たとえば、ホテルと和風旅館はにおいが違う。同じホテルでも外資系に入ると西欧独特の刺激的なにおい(刺激臭ではない)に浸されるが、日本風はにおいがかすかである。どちらも悪くない。宿泊先の下見ができる時は、造作などよりもまずにおいで決めてきた。

個性や命の輝きを軽々しく消す怖さ

 ところで、早朝の電車に乗る。昔の学生たちは男子も女子も若者特有のにおいを発散させていた。それは時にうっとうしく感じることもあったが、やはり朝のエネルギッシュなにおいであり、懐かしいのだ。しかし、最近はほぼ完全に消えた。

 登校前のシャワー、シャンプーが日常のことになっていて、若者の間に広がっている異常なまでの消臭・無臭志向が理由らしい。それが、世間一般にも伝染して、中高年の「加齢臭」を消す商品まで生んだのである。

 しかし、消臭とか無臭は豊かな人間らしい社会生活を送るうえで歓迎すべきことなのだろうか。『匂いの身体論』などの著書がある調香師(そんな職種があることも知らなかったが)の鈴木隆さんは、

「体臭が嫌われる背景には、においに限らず衛生的なものに対する一種の偏執的なこだわりもあると思うんですが、消せるとなればおなら消臭とか便の消臭とか、そんなところまで走ってしまう。

 でも、人間の生きていく営みの中で、ガスを発生したり、排泄したりのメカニズムには当然においが伴っているわけだから、それを消してしまうのは、カラーだった画面がモノクロになってしまったようなイメージですね。

 自分の身体をありのまま受け入れないで、自分がにおいを出さないものと考えれば考えるほど、人間とにおいとの距離がどんどん開いていってしまう」(財団法人・塩事業センター発行の雑誌『SALT21』、「香り・匂い」特集で)

 と不安を語っている。悪臭・芳香に二極分化しようとするあまり、人間的なにおいまでうとましく思い、防臭・消臭商品がはやる、という社会現象を起こしているのだ。

 最近のように、「消す」ことに軽々しく手を染める風潮は、恐ろしいような気がしている。花園に入れば花の香り、森林に足を踏み入れれば木の香り、だれもそうした自然のにおいにあこがれる。しかし、だれもが好むもの以外は消し去ることになれば、においが持つ奥深い文化性は失われるではないか。

 やはり、『SALT21』誌で、パヒューム(香り)デザイナーの川上智子さんは、

〈匂いのない宇宙空間では、嗅覚刺激が極端に少なくなることによって、宇宙飛行士は不安になると聞く。無臭に近い空気の実験室に入ると、不安感や恐怖感を感じるという。空気中になんの匂いもしないということは、生物がいないということなのだ。恐怖感を感じるのは当然である。

 すべての香りは生命力の表れととらえることができる。動物が独特の匂いを発するのも、もちろん人間の体臭も、森のさわやかな香りと同じ、自然なことと受け入れるべきだろう。

 その原点を見失ってしまうと、清潔にこだわり、まるで自分の存在を隠すかのように、デオドラント(不快なにおいを除いたり防止したりするもの・筆者注)に夢中になったり、「くさい」という理由でいじめがはじまったりする。……ただ無臭化につとめるのでは、一人一人の個性や命の輝きを否定しかねない〉(原文のまま)

 と書き、警鐘を鳴らしている。まったく同感だ。無臭は異常なことを知らなければならない。

 さきの鈴木さんは、視聴覚教室と同じように「嗅覚教室」を教育の場に設けたらどうかと呼びかけている。子供の時からいろいろなにおいを体験する。グッドアイデアだ。

 
 

 

 

 

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体内で分解した食物は栄養素として吸収するだけでなく、大便、尿、屁(へ=おなら)として体外へ排出する。この中では屁が見えないことから軽視されがちだが、あえて屁と健康や、環境との関係について探ることを、一部の関係者はヘコロジーという和製英語で呼ぶ。
 この分野の研究が一段と進んだのは、NASA(米航空宇宙局)のアポロ計画の貢献が大きい。宇宙船内での爆発やガス中毒の危険を防ぐため、屁に400種類もの成分が含まれていることを突き止めた。
 悪臭の主犯は「硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3つ」(鈴木隆著「悪臭学」)。いずれも硫黄化合物。消化器官の具合とにおいとの因果関係は解明されていないが、加齢とともに臭さが増すことは分かっており、来るべき超高齢者社会の重要問題として浮上しそう。

 


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ジャンプ
佐藤正午【著】
突然失踪したガールフレンドを男が捜していく物語である。何度も反芻して、何度も後悔して、男はガールフレンドのことを捜しながらも、仕事をこなしていく日常に、彼女のことを少しずつ忘れていく。女の事情、男の事情、それぞれが物語を追うにつれ、あきらかになっていくが、人生の選択ということを深く考えさせられる。そして、男の優柔不断、情けなさがこれでもかというほどに追求され、女の自分の人生への真摯さとの対比が見事に描かれる。何度も振り返り、自分が選択してきた人生を確認してしまう結末が、心の中に深く残る。ミステリータッチでありながら、恋愛小説の甘さを持ち、若きビジネスマンの人生へ喝をあたえ、女の人生へもエールを送る、都会的小説である。
ペンネーム:きゃさりん
小池 真理子【著】
ある”秘密”が気になって一気に読んでしまいました。現代からぐーっと事件の起きた過去へ引き込まれます。たしかにあの”秘密”がなければ事件の本質は理解し難い。3人の感情が縺れるように絡まって1つになったり、バラバラになったり・・・彼女は亡くなってしまいます。残された2人は何事もなかったかのように生きているようでした。でもこの3人はあの一時期、本当に愛し合っていたし、性別を越えた繋がりを見つけられた。最後は晴れ晴れとした寂しさが残る本だと思いました。BGMにはエンヤがおすすめかも?
ペンネーム:のん
歴史の真実
前野徹【著】
戦後の世代として、生きてきた私ですが、戦中戦後の真実を初めて知ることができました。いままで戦争に関して感じていた疑問も、不思議に感じていたことも、スッキリとしたような気がします。それまでは、政治や経済に無関心でしたが、日本の国民として 今後を支える人間として、もっと関心を示して参加しなければいけないと思います。今、学生の教科書を把握している人がどれだけいるでしょうか・・・? 自分のことだけにとらわれて、日本の将来を考える時間もないのが、現実かもしれません。この本を読んで、今後の人生観が変わりました。もっと多くの日本人がこの本を読んで、本当の歴史の真実を知らなければいけないと思います。そして、その事実の上に立って世界と交流をしていかなければならないと思いました。
ペンネーム:ギズモ
十四歳のエンゲージ
谷村志穂【著】
誰もが通る14歳。純愛や色々な思いとの闘いがとても共感できる。なりたくはない醜い大人、純粋ではいられなくなっていく自分が重なって読んでいて感動しました。『十六歳たちの夜』とあわせて読むととてもいいです。
ペンネーム:楼南
アルジャーノンに花束を
ダニエル・キース 【著】
この話は知恵遅れの男性を扱った作品です。主人公はふつうの人より知恵が遅れた30代の男なのですが、彼はその知恵の遅れのためにまわりの人間から馬鹿にされます。そして回りの人間のように賢くなりたいとねがうのです。彼は賢いことが幸せなことだと信じています。それゆえ周りの人は賢いのだから幸せであると思い、それをうらやましくも思っています。その彼の前にひとりの医者が現れ、彼に賢くなる外科手術をすすめます。この手術は主人公にとってまさに「幸せになる」ための手術でした。そして手術を受けます。この後の話はみなさんご自身で読んでいただきたいのですが、なかなか考えさせられる内容となっています。書名にでてくる「アルジャーノン」とは、主人公の前に手術をうけたネズミの名前なのですが、このネズミは彼と一緒に実験を受けていきます。このネズミも話の中で重要な位置をしめています。果たして主人公の考えていたように賢いことは幸せなのか。知恵があればそれでいいのか。そういうことを考えさせられた一冊でした。
ペンネーム:ライオネス
バツイチ30ans
小池田マヤ 【著】
主人公30歳バツイチ会社員。そこに中学時代に一緒にワルしたゴーが同じ職場に勤めることに。仕事の忙しさに追いまわされたり恋もモヤモヤと悩みつつけして、楽しい日常ではないけれども答えはなくても 戸惑いながら進んでいく主人公に共感がもてます。
ペンネーム:うさうさ
山月記
中島敦【著】
中学生の頃から何度も呼んでいます。虎に変化した友人との会話等、独特の雰囲気に魅せられ、秋の夜長にはぴったりの本と思います。
ペンネーム:長野県人
魔術はささやく
宮部みゆき【著】
数ある宮部作品の中でも、私の一押しです。叔父さんが起こした交通事故について調べる主人公の少年が、その裏に隠れた連続自殺の謎にせまっていくうちに、自分の父親の失踪事件の真実に近づいていく・・・ミステリーなのですが、登場人物の心理描写がすばらしくて、特に人間の心の弱い部分と、その弱さを抱えながら、まっすぐ生きようとする強さが心にしみてきます。読み終わった後に清々しい気持ちになれる一冊です。
ペンネーム:メリリー
白夜行
東野圭吾【著】
親に傷つけられ、幼いときから、自分を、過信に限りなく近い自信によって奮い立たせて生きるしかなかった少年と少女。やがて、少年は、自分のかしこさに、少女は、自分の美しさに気づき、それを生き抜く手段として利用する、かなしく罪深い大人になってしまう。…ミステリー小説が苦手な私ですが、主人公が、まわりの人を傷つけて、命がけで生きていく姿に、けっして共感はしないけど、なんだか胸がいたくなりました。切ない涙をこっそり流したい方には、オススメです。中途半端な恋愛ものより、ぜったい泣ける1冊です。
ペンネーム:白パンダ
悪臭学 人体篇
鈴木隆【著】
書籍名からすると、臭いフェッチ関係の本かと思いきや、様々な臭いに関する専門的かつユーモラスな考察集である。香しい臭いを追求する香料の会社の研究員の著者が解説する臭いに関する話題は、広く深く造詣に富んでおり、専門用語の多い本書もその平易な文体により、赤川次郎の小説のように読みやすい。古来、天才と狂気は紙一重と言われるが、本書を読むと悪臭と香水も紙一重であることがよくわかる。
ペンネーム:片山勝之
だから牡丹が好きやねん
山田圭子【著】
泣けるといったらコレしかない!友達に10人くらいかして、みんな泣きました。保証します。マイナーな漫画で全8巻かな?ちょっと昔ので、絵も雑なんだけど、マンガはストーリだって実感できるお話。小学生の牡丹は母と1人暮らし。母に新しい夫ができて・・・。でも、母は体が弱く、今度は新しい父親と2人暮らしするのだが。という話。牡丹がいいキャラで明るめの話なのに、涙が止まりませんっっ。
ペンネーム:しょみ
白仏
辻仁成【著】
村中の先祖代々の遺骨を集めて、白い仏像を作る男の話です。今生きている私たちも、営々と繋がってきたきた生命の鎖の一部であり、いつか生命を次の代に受け継いで死ぬ。それが怖いことでは無いと思えるようになりました。そして愛する人と同じ時代を生きられたことを、とても幸せなことだと思いました。辻仁成の小説の中では異色作ですが、心の深いところに残る作品です。
ペンネーム:エフピー
落下する夕方
江国香織【著】
やっぱり夕方が一番きれいなのは秋かなー。落下する夕方、本屋の店頭でタイトルにひかれて手に取りました。すごく不安定な感じがするのと、わたしも夕方が一番好きなので、夢中で読みました。夕方に感じる独特の切ない感じが思いっきりよく伝わり、じんと来ます。内容は、未練・嫉妬・執着など、人間の醜い部分の感情について、とても素直に表現されています。自分の中のそういう感情を美しいものに変えてくれます。失恋した時に毎日、泣きながら読みました。今でも泣きたくなると本棚から取り出してしまう本です。
ペンネーム:めぐ
いつでも会える
菊田まりこ【著】
あなたの心の中に、大好きで大切な人はいますか?シロにはいます。みきちゃんというとってもとっても大好きで大切な人が・・・自分の目の前からその大好きな人が突然いなくなったらあなたならどうしますか?大好きな人がいなくなったら、人間でも動物でもみんな同じように胸がキュンとして悲しくなるはず。。。 シロはみきちゃんのお友達の犬。いつも一緒でいつも仲良し。でも、みきちゃんが突然シロの前からいなくなりました。シロは悲しくて悲しく会いたくて会いたくてたまらない。そんなシロは目をつむると大好きなみきちゃんにいつでも会えることに気付きます。心と心がつながっていれば、本当は大好きで大切な人は遠くて近いところに必ずいる。心あたたまる菊田まりこの世界をのぞいてみませんか?
ペンネーム:コロ
 

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悪臭学 人体篇
鈴木隆/著 




出版社 イースト・プレス
発行年月 2000年05月
ジャンル サイエンス
ISBN 4-87257-187-8
形態 255P 20cm
読者対象 一般
在庫 在庫あり
販売価格 1,500円(税抜)
お届けまでの日数 3〜5日

 

本の内容
そこまでくさいのにはワケがある!口臭、足のにおい、おなら、ワキガ、アソコ、ウンコ、…死体臭など、人のからだから出る悪臭は、そもそもどうしてくさいのか?ヘソ曲がりの現役パフューマーが、鼻も曲がるにおいの謎に迫る。


目次
第1章 おなら―正しい屁理屈のススメ
第2章 ゲロ・ゲップ・口臭・頭・足―人間くさい悪臭たち
第3章 ワキガ―腋の下から出るフェロモン
第4章 膣と精子―愛という名の悪臭
第5章 糞尿―くさいのが常識は非常識!?
第6章 死体―人間最後の悪臭

悪臭学 人体篇
口臭から死臭まで。現役調香師が、人体から発する悪臭の秘密に迫る。前代未聞の痛快ノンフィクション。

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